LOSER
「一度逃げた人間は次も必ず逃げる」
はっきりいって僕はずっと逃げてきた
そもそも逃げることが悪いことだとは思ってない
ただ今回、3年半前に転職した今の職場からも逃げようとしたところで、前職の上司がいった言葉を急に思い出した
「次は自分が決めたところなのだから絶対に辞めるなよ」
確かにそうだと思う。自分で決めた。人生のハンドルを自分に取り戻すために。
しかしその道は想定外の連続だった。そもそも東京の道を走るはずだったのに今でも大阪の道を走ってる。二度と来ない20代を東京で暮らすことは、叶わなかった。そして、一人暮らしはとても寂しいものだった。
そうはいっても、戦時中に生まれた若者は戦地に往かなければならないのと一緒で、僕はこの道を進むしかない。抗うことはできない。来年には30歳だ。
自分で道を切り開くほどのスキルもアイディアもエネルギーもない僕は、今はただ命乞いのように仕事に取り組んでいる。
正直今の道は自分が本当に進みたい道ではないことはわかる
だが同時にそもそも自分が本当に進みたい道がわからない
自分を欺くための逃げ道すら失った人間は、一体どこにたどり着くのだろうか