摩天楼
おかあさんと暮らしてた頃に戻りたい
そんな呪いの言葉を口に出しそうになるくらい、この4月からの僕はモチベーションを失っている
仕事のというよりは、生きるモチベーションかもしれない
どれだけ連休があっても何もしないし、社会的なことだけでなく趣味的なことも何もやる気が起きない
僕が神様ならそろそろ天国に戻す頃だろう
週末、おかあさんと東京に行った
二日目にはかっぱ橋に行ったのだが、僕はそこで東京スカイツリーを見た
スカイツリーを見たのは、転職を決意した3年半前以来だった。
あの日はあんなに輝いてたスカイツリーも、その日は雨雲に隠れたり出たり、はっきりとは見えなかった
それはとても皮肉なものに思えて、まるで現在の僕を暗示しているかのようだった
あの日見た自由な世界の象徴としてのスカイツリーを、いつしか僕は見失っていた
スカイツリーを見えなくしてたのは雨雲だけでなく、歩いてる道の蛇行によってビルに隠れて見えないこともあった。でも歩く道はそれしかない
スカイツリーはそこにはある。そこにはあるけど、見えなくなりかけている
スカイツリーがなくなることはない、だがそれを見失い、諦めたら、そこにたどり着くことはできない
僕は本当に、スカイツリーにたどり着きたいのだろうか
報われない日々に、あの日の決意すら見えなくなってきている